松谷司法書士事務所

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過払い返還業者別対応

プロミス過払い請求の特徴

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(プロミス)の会社概要

SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(プロミス)は、三井住友フィナンシャルグループの傘下にある、大手消費者金融業者です。銀行のグループ会社ですから、アイフル等の独立系の消費者金融よりは経営が安定していると思われます。

完済後の過払い請求の場合はブラックリストになりませんが、プロミスは三洋信販(ポケットバンク)、アットローンを吸収合併していますので、プロミスに対しては完済状態で債務がなかったとしても、三洋信販やアットローンに対して債務がある場合、完済扱いとはなりません。ブラック状態を避けるために、完済後に過払い請求をしようとお考えの方は、この点に注意が必要です。

アットローンとの取引について

上記のようにSMBCコンシューマーファイナンス(プロミス)は、アットローンを吸収合併して、契約を引き継いでいますが、アットローンについては、15~18%の利率でしか契約をしておらず、利息制限法の上限を超過する契約というのはありませんでした。

当時プロミスグループでは、三井住友銀行は8~12%、アットローンは15~18%、プロミスは18~25%というように、あらゆる金利帯での商品を用意する「金利フルライン戦略」というものを取っており、アットローンは利息制限法の上限を超えない金利帯をターゲットとした商品を提供していたためです。

したがって、アットローン取引の分については過払い金は発生せず、プロミスに対して、アットローン取引の分について過払い金を請求できることはないということになります。

クオークローン・サンライフとの取引について

プロミスに対して、クオークローン(現株式会社クラヴィス)やサンライフという会社との取引で発生した過払い金を請求できるケースがあります。しかし、契約の移行方法により、クオークローン・サンライフ時代の取引とプロミス時代の取引を一連計算できるかどうか、結論が変わってきます。

この争点については非常にややこしくわかりにくいので、簡単な説明に留めますが、要するにプロミスは、クオークローンとの取引により発生した過払金についてはクオークローンに請求するべきで、プロミスは過払い金を引き継いでいないという主張をしてきます。この点については、ふたつの最高裁判決があります。

まず、クオークローンからプロミスに過払い金の支払い義務を引き継がせると判断した判決は、最高裁平成23年9月30日判決です。この判決の事例は、借主がプロミスからの借入金でクオークローンに完済して契約を切り替えたケースで、「契約切り替え事案」と呼ばれます。このケースでは、プロミスが、クオークローンとサンライフの顧客に対して、プロミスから借り入れた資金でクオークローンとサンライフからの借入金を完済し、その後はプロミスと取引するように勧誘していました。顧客は、残高確認書兼振込代行申込書という書類にサインしており、プロミスからの借入金は直接クオークローンとサンライフに支払われたというケースです。

これとは別に、クオークローンからプロミスへの債権譲渡により債権がプロミスに承継されたパターンもありますが、こちらのパターンは、「債権譲渡事案」と呼ばれます。債権譲渡事案では逆に、プロミスに過払い金の支払い義務を引き継がせないという判決が言い渡されてしまいました(最高裁平成24年6月29日判決)。クラヴィスは破産しましたので、このパターンであった場合、クラヴィス時代の過払い金は、ほぼ回収不能となってしまいました。

また、最高裁判例で決着がついている、契約切り替え案件の場合でも、裁判で終局判決が出るまでは、一連性を認めませんので、返還まで、非常に時間がかかります。

三井住友銀行のカードローン契約がある場合の信用情報への影響

三井住友銀行のカードローン契約がある方については、プロミスに過払い請求をするとき、信用情報への影響に注意が必要です。

三井住友銀行のカードローンは、保証会社がプロミスとなっているため、プロミスへの過払い請求をきっかけとして、三井住友銀行のカードローンが代位弁済となる可能性があるのです。

代位弁済というのは、信用情報の中で、事故情報として扱われますから、いわゆるブラックリストに入るということになります。

したがって、信用情報への影響を重要視される場合には、三井住友銀行カードローンを完済した後にプロミスに過払い請求をする方が安全です。

その他の争点

上記争点以外でよく主張される典型的な反論としては、他の業者と同様、取引が途中で中断している場合に、取引の一連性を否定するという反論と、悪意の受益者ではないので、過払い金には利息を付けるべきではないという反論です。

どの会社の場合もそうですが、争点が金融会社に有利な状況(例:取引の中断期間が長い場合など)であれば、返還時期・金額について合意に至りにくくなり、裁判が長期化するという傾向があります。特に、悪意の点については、取引開始の時期によっては執拗に争ってくる場合があります。

過払い金の支払い時期は、和解成立から約2ヶ月程度が多くなっています。

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