松谷司法書士事務所

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過払い返還業者別対応

アコム過払い請求の特徴

アコムの会社概要

アコム株式会社は、三菱UFJフィナンシャル・グループの傘下にある、大手消費者金融業者です。銀行の傘下にあるため、アイフルや武富士などの独立系の消費者金融よりは経営が安定しているのではないかと思われます。

アコムは、消費者金融会社には珍しく、「ACマスターカード」という、クレジット機能のついたカードを発行しています。完済後の過払い請求の場合はブラックリストになりませんが、ACマスターカードを利用していた場合、キャッシングが完済状態で債務がなかったとしても、クレジットの残債務がある場合、完済扱いとはなりません。ブラック状態を避けるために、完済後に過払い請求をしようとお考えの方は、この点に注意が必要です。

DCキャッシュワンとの取引について

上記のようにアコムは、DCキャッシュワンを吸収合併して、契約を引き継いでいます(現在は、会社分割によりじぶん銀行がキャッシュワン事業を承継)が、DCキャッシュワンについては、18%以下の利率でしか契約をしておらず、利息制限法の上限を超過する契約というのはありませんでした。

したがって、DCキャッシュワンと過去に長期間取引をしていたとしても、過払い金は発生しませんので、DCキャッシュワン取引の分についてアコムに対して過払い金を請求できることはありません。

取引の分断と契約の解約について

アコムに限らず、最近の過払い請求に対する反論として最も多いのが、取引が中断しているときに、取引の一連性を否定するというものです。つまり、第1の取引で発生している過払い金を、第2の取引の貸付金に充当することを否定し、過払い金の金額を減らそうとするのです。この反論は、完済・再借り入れの状況によっては、認められるケースも結構あります。裁判所の判断基準にもバラつきがあり、結果が予測しにくく、頭の痛い反論です。

アコムについては、この点について、他の消費者金融とは異なる点があります。それは、訴訟において非常に重要な争点となる、「第1の取引が終了したときに、基本契約を解約したかどうか」という点につき、開示された取引履歴からある程度判断ができるということです。

なぜかといいますと、アコムの取引履歴には、取引終了時に契約を解約していれば、「解約」の文言が入っています。「解約」の文言が入っているということは、第1の取引が終了するときに、契約を終了させましょうという合意が双方にあったということですから、取引の一連性が認められる可能性は下がるということになります。解約の文言が入っていても取引の一連性が認められることもあるのですが、裁判で徹底的に争うことを覚悟しなければいけません。以前よりも、裁判所は、取引中断の前後の一連性を認めにくくなってきている印象があります。

その他の争点について

また、最近では、過払い金に付される利息について、棚上げ計算をするという主張がされることがあります。これは、過払い金について発生した利息(民法704条)について、借入金には充当しないという主張です。この主張が認められると、利息だけが時効消滅するというようなことになってしまいます。いくつか下級審で勝訴の判決も取っていたようです。しかし、この主張に関しては、最高裁平成25年4月11日判決において、過払い金について発生した利息は借入金に充当するという判断が示されましたので、今後は認められる可能性がほぼなくなりました。

最近多くなってきた反論は、取引中に和解があった場合の「和解の確定効」の主張です。取引中に債務者が金融会社と交渉して、毎月の支払額を減額したり利率を下げたりという内容の和解をすることがありますが、その後に過払い請求をしたときに、和解によって権利関係が確定しており、過払い金は存在せず、また、和解契約の錯誤無効を主張することも許されない、という反論をしてきます。

確かに和解契約には、和解の内容と真実の事実関係と異なっても当事者は和解契約に拘束されるという確定効があり(民法696条)、下級審の判例では、金融会社のこのような主張を認めているものも存在します。しかし、和解の確定効が及ぶのは、和解の対象となった事実についてのみであって、争いとなっていない事実、当然の前提となった事実について確定効は及びませんから、和解時に過払い金の有無や債務の額が争いになっていないのであれば、和解契約を錯誤により無効とすることも認められるべきです。

和解の確定効について詳しくはこちら

過払い金の支払い時期について

アコムの過払い金の支払い時期は、和解成立から3ヶ月程度が多くなっています。

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