過払い請求訴訟の争点

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クレジットカード一回払い取引の過払い請求

  • クレジットカード一回払い取引の過払い金充当合意が争点
  • 一回払い取引に過払い金充当合意はないから個別計算すべきと主張
  • オリコやアプラス、ライフカード、クレディセゾンなどが主張する

 

クレジットカード一括払いの過払い請求

クレジットカードのキャッシングサービスの中には、リボ払いではなく、一回払いのものがあります。このような取引に関して発生した過払い金について特有の争点があります。クレジット会社から、「一回払いの取引に関して発生した過払い金については、過払い金充当合意は認められないから、過払い金は個別計算すべきである」というような主張がされます。

オリコやアプラス、ライフカードなどの会社がよくこの点について争っており、判例も多数公開されています。また、判例はあまり公開されていませんが、クレディセゾンの旧UCカード取引についても、この点が争いになることがあります。

過払い金充当合意と一回払い取引

過払い金充当合意というのは、取引中に発生した過払い金は、後に発生した貸付金に充当しましょうという合意です。過払い金充当合意が存在すれば、取引は一連計算することになります。

では、なぜクレジット会社は、一回払い取引で発生した過払い金に過払い金充当合意が認められず、個別計算すべきと主張するのでしょうか。それは、過払い金充当合意を認めた最高裁判例に、次のような文言があるためです。

「本件各基本契約に基づく債務の弁済は,各貸付けごとに個別的な対応関係をもって行われることが予定されているものではなく,本件各基本契約に基づく借入金の全体に対して行われるものと解されるのであり,充当の対象となるのはこのような全体としての借入金債務であると解することができる。」

つまり、上記最高裁判例は、過払い金充当合意があると判断するための理由として、借入と返済が1対1の対応関係にないということを挙げているため、逆に借入と返済が1対1の対応関係にある一回払い取引については、過払い金充当合意は存在しない、と主張してきているのです。

過払い金充当合意の存否の判断基準とは

確かに最高裁平成19年6月7日判決は、1個の返済が借入金全体に対する返済であることを、過払い金充当合意を認めるひとつの理由としています。しかし、1個の返済が借入金全体に対する返済であることは、過払い金充当合意の存在の有無を決定する基準のひとつに過ぎず、要件ではありません。したがって、1個の借入れと返済が対応していることが予定されている取引であっても、過払い金充当合意の存在が認められないということにはなりません。

上記判決以外に、過払い金の充当について判断した判決として、最高裁平成19年2月13日判決があります。この判決中には、「第1の貸付けの際にも第2の貸付けが想定されていた~などの特段の事情のない限り,第1貸付け過払金は,第1の貸付けに係る債務の各弁済が第2の貸付けの前にされたものであるか否かにかかわらず,第2の貸付けに係る債務には充当されない」との文言があります。つまり「第1の貸付けの際にも第2の貸付けが想定」されていることを、過払い金充当合意が認められる特段の事情と認定しています。

この趣旨からすると、一つの貸付を行なう際に次の貸付が行なわれることが想定されている場合には、過払い金充当合意の存在が認められるべきです。

最高裁平成19年2月13日判決全文(最高裁HP)

また同様に、過払い金充当合意の有無が争点となった最高裁平成19年7月19日判決においても、過払い金充当合意の存在を認める理由として「一つの貸付けを行う際に,切替え及び貸増しのための次の貸付けを行うことを想定しているのであり~制限超過部分を元本に充当した結果,過払金が発生した場合には,その後に発生する新たな借入金債務に充当することを合意しているものと解するのが合理的である。」との文言があります。

最高裁平成19年7月19日判決全文(最高裁HP)

これら2つの最高裁判決を見ると、最高裁は、「一つの貸付の際に次の貸付が想定されているかどうか」を重視し、過払い金充当合意の存否の判断の基準とされていることがわかります。

クレジットカード取引にも過払い金充当合意が認められる

以上の基準に照らしてみると、クレジットカードの取引であっても、過払い金充当合意が認められるべきであるということがわかります。

クレジットカードの取引の場合、返済方法が一括払いや回数指定払い、リボルビング払いなど、いろいろ選択できることがありますが、いずれの貸付であったとしても、カード利用限度額の範囲で繰り返し借入れができるということはどれも同じです。そして、カード利用限度額の範囲で繰り返し借入れができるということは、「一つの貸付を行なう際に次の貸付が行なわれることが想定されている」といえます。

したがって、1個の借入れと返済が対応していることが予定されているクレジットカード取引についても、過払い金充当合意の存在が認められるべきです。

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