グレーゾーン金利と利息制限法

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グレーゾーン金利と利息制限法

「利息制限法」という法律では、利率の上限が定められており、借り入れ元金に応じて年利15~20%が上限となっています。借主も貸主も納得したうえで設定していたとしても、この上限を超えた金利は無効です。

利息については、「出資法」という法律でも上限の設定があります。貸金業者の貸付金に対する利息は、利率が年29.2%を超えると刑事罰が科されます。

そして、この2つの法律の中間の部分は、民事上原則無効だけれども刑事罰の対象とならないということで、「グレーゾーン金利」と呼ばれています。

出費法上限金利

 

利息制限法による引き直し計算

グレーゾーン金利の支払いについては、利息の約定は無効ですので、利息として支払った金額を、利息ではなく元本を支払ったこととして計算のやり直しができます。そして、元本がなくなってもさらに支払いを続けている場合には、それが過払い金となり貸金業者に対して返還請求ができます。

現在50万円の借金があっても、その取引における利息がグレーゾーン金利であって、取引が7年以上継続している場合には、過払いになっている可能性がかなり高いです。7年というのはあくまでも目安ですが、もっともよくあるパターンの取引である、50万円の借入枠があって、その上限付近で借り入れと返済を繰り返しているような場合には、7年前後で過払いとなっているケースがよくあります(具体な計算の例はこちらの例1をご覧下さい)。

また、もう完済している場合であっても、利息制限法による引き直し計算は可能ですグレーゾーン金利での取引について完済している場合には、必ず過払いが発生していますので、返還請求が可能です。

引き直し計算事例

利息制限法によりどのように借金が減るのかを、具体的な事例でご説明します。わかりやすい事例として、支払いが年に1回の取引で考えてみます。

利息年28%で50万円を借りて、1年後に14万円を返済したとします。この場合、約定の28%の利率で計算すると、1年間に14万円の利息が発生します(50万円×0.28=14万円)ので、1年後に14万円を返済しても、利息分のみの返済となり、元本は全く減りませんので、借入残高は常に50万円のままです。しかし、50万円の借入残高に対しては、利率の上限は年18%と定められていますので、この上限を超えた部分について、引き直し計算が可能となります。

利息制限法で認められた利率18%で計算をすると、1年間の利息は9万円(50万円×0.18=9万円)までしか認められません。14万円から9万円を引いた差額の5万円は、利息制限法違反の無効な支払いとなります。そして、この差額5万円については、利息ではなく元本を支払ったこととします。すると、元本が5万円減って45万円となります。2年後も同じように14万円を返済したとすると、利息制限法により計算しなおせば、59,000円(14万円-45万円×0.18=59,000円)が元本を支払った部分となり、借入残高はさらに減り、391,000円となります。

3年後以降も同じように毎年14万円を返済したとすると、次のように借り入れ元本が減少していきます。

  金利28%(約定金利で計算) 金利18%(利息制限法で計算)
1年後 5000,000円 450,000円
2年後 5000,000円 391,000円
3年後 5000,000円 321,380円
4年後 5000,000円 239,228円
5年後 5000,000円 142,289円
6年後 5000,000円 27,901円
7年後 5000,000円 -107,076円

このように、借入金50万円に対して毎年14万円を返済している場合、約定の金利28%では元本は全く減りませんが、利息制限法の上限利率18%で計算しなおすことを繰り返すと、6年でほぼ元本がなくなり、7年で107,076円の過払い金が発生します。利息制限法による引き直し計算により、過払い金の発生するしくみは、このように説明ができます。

次に、どのような取引ならばどのぐらい過払い金が発生するかについて、現実にありそうな事例を設定して、図を用いてご説明します。

利息制限法による引き直し計算の具体例

取引中に借入金が減った(又は増えた)場合の適用利率は?

継続的な取引の中で、当初10万円未満であった借入金が、追加借入により10万円を超えた場合は、上限利率は、20%から18%に下がります(利息制限法1条)。では逆に、10万円以上あった借入金が、毎月の返済を繰り返すことにより10万円未満に減少した場合、利息制限法の上限利率は、18%から20%に上がるのでしょうか。

この点については、最高裁平成22年4月20日判決(判決全文は最高裁のホームページへ)により、18%から20%に変化するものではないとされました。最高裁は、理由として、「一旦無効になった利息の約定が有効になることはない」ということをあげています。

つまり、カードローンの契約は取引開始のときに締結されて、その契約の中で利率が約定されていますが、その合意が利息制限法に違反していて無効になっているのだから、後日借入金が減少したからといって、いったん無効となっている利息の約定が復活して有効になるようなことはない、ということです。

是非、無料の引き直し計算サービスをご利用ください。

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